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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年6月25日月曜日

追憶 125

朦朧(もうろう)とする意識の中で、わたしは謝罪を繰り返していたように記憶している。
黒い犬と幼い自分に対してのものであると推測するが、図らずも傷付けてしまったことに対する謝罪であるだろう。
とにかくわたしは「ごめんなさい」と何度も何度も繰り返していた。
謝罪する中で、黒い犬の感情が徐々にではあるがその苦しみを手放していく様子が見て取れた。
わたしが自らの満たされていない心の部分を実感することで、そこには自然と謝罪が生まれていた。
それは、自らの心を満たすことが人生における自分自身の責任であるということを伝えているのではないだろうか?
幼い頃の心の傷と今になっても向き合わなければならないのは、人生においてそれを無視するということができない証である。
わたしたちは、過去の苦しみから生まれた心の傷を無視することはできない。
それを無視し続け、忘れた振りをするということはできるだろう。
しかしながら、一度できてしまった心の傷は放置しているだけでは治ることはない。
過去に戻ることはできないが、自らの心の中に出向き、そこに存在している傷と向き合うことがなければ、それが癒えることはないのである。
今回のことでそれが強く印象として残った。

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