この時、わたしの身体は彼らの感情を表現し、同時にその苦しみを発散しているのだろうと感じていた。
推測に過ぎないので何とも言えないが、感覚的にきっとそうに違いなかった。
気が付いた時には、既に意識的な世界から抜け出していた。
敷き布団がわたしの顔半分を覆っている。
片方の目が捉えた景色は、いつもと同じ部屋の風景だった。
相変わらずの重たい身体を引き摺るようにして、何とか体勢を起こした。
疲労が心と身体を支配していた。
きっと、わたしの記憶にないところでは大いに叫んでいたのだろう。
体感よりも長い時間叫んでいたに違いない。
今回は黒い犬に会うことはできなかったが、わたしはどことなく問題の核心へと近付いているような感触を得ていた。
それはわたしに喜びをもたらし、更なる意欲を掻き立てるものでもあった。
「明日また、心へ向かおう」
わたしは密かにそう決意するのであった。
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