次の日も、わたしは自らの意識の世界へと向かった。
部屋をできるだけ暗く、できるだけ静かで落ち着けるような環境になるように整える。
呼吸を徐々に深くして整え、精神を沈めて心に至(いた)る。
目紛るしく飛び交う思考や記憶を潜り抜けると、いつの間にかにそれはそれは静かな場所に出る。
そこにはとても大切なものがたくさん存在している。
今のわたしにとっては黒い犬と幼心であった。
気が付くと自分の身体がベッドに横になっていた。
横たわる身体を感覚によって感じ取ることができた。
この時、自分の意思では瞼を開けることはできなかった。
無理矢理に開けようとしてみたが無理であった。
この場において自我は価値を持たないのであろう。
肉体の感覚は働いてはいるものの、それを制御することはできなかった。
わたしは抵抗すること無くその流れの中に身を任せる。
抵抗しても意味が無いのは前回の体験で十分に理解していた。
わたしは身体が次の動きを始めるのをただじっと待っていた。
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