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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年4月23日月曜日

追憶 62

わたしは彼らを心の底から助けたいと思った。

彼らの力になれるかは分からないけれど、自分にできることはやってみようと強く思ったのである。

わたしには、彼らがまるで自分自身であるかのように思えた。

彼らの苦しみが、どうしても他人事のようには思えなかった。

彼らを救うことは、自分自身を救うことである。

おかしな発想ではあるが、わたしはこの時本気でそう思ったのであった。

わたしは彼らの苦しみをこの胸に抱きしめようと心に決めた。

それがどれ程の苦しみであったとしても、それを抱きしめることができなければ彼らを救うことはできない。

わたしにできることは彼らの苦しみを共有し、理解することだけである。

この身体や心によって彼らの苦しみを抱きしめることでそれが可能なのではないかと直感的に思ったのである。

背中に覆い被さる彼らに対してわたしは無意識の内に構えていた警戒心を捨て去り、ゆっくりと心を広げた。

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