しかしながら、今のわたしにできることは何もなかった。
わたしが唯一選択することができる行動は、ただ耐えるということだけだった。
指一本も動かせない状況である。
わたしがどれ程足掻いても、どうしようもないのである。
背中を覆う黒い影は執拗にわたしにすり寄ってくる。
それは決して心地の良いものではなかった。
正直なところ、気分が悪くて吐きそうだった。
襲ってくるプレッシャーは次第に強くなる。
鼓膜は低い音をわたしに聞かせるのだった。
その時、わたしは自身の心の中に一筋の光を見た気がした。
気のせいかとも思ったが、気持ちが落ち着くような感覚がそこにあるため、きっと気のせいでも見間違いでもないのだろう。
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