わたしは無意識の内に鐘の音に対して興味を抱いているようだった。
五感が回復すると、その感覚に引っ張られるのがよく分かった。
耳?に入ってくる音を心が無視することはできない。
否応なしにも意識が傾いてしまうのであった。
一定のリズムによって打ち鳴らされる鐘の音は、わたしの好奇心を大いに刺激した。
そうなると、鐘の音の出どころが気になってくるのが人の性ではないだろうか?
わたしは鐘の音がどこから聞こえているのかを探ってみることにした。
微かに聞こえる鐘の音を辿る。
すると、それは後方から聞こえているようであった。
多少の不気味さはあるものの、これと言ったプレッシャーは感じない。
むしろ、多少の不気味さがわたしの好奇心を刺激するのであった。
その時、わたしには一つ気になったことがある。
それは鐘の音が先程と変わっているように感じるのであった。
気のせいと言えばそれまでかも知れないが、ほんの少しだけではあるけれども、音が大きくなっているように思えるのである。
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