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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年4月22日日曜日

追憶 61

黒い者たちの煮詰まった感情は、それを理解してくれるであろう対象へと矛先を向けるようになった。

それが、意識的な感覚を所有する人間だということだろう。
そして、次の対象がわたしだったということである。
わたしは彼らがわたしを苦しめようとして近付いて来たのではないと感じていた。
彼らはわたしに自分たちの苦しみを理解して欲しかったのである。
心の中に「思いやり」を持っている今なら分かる。
彼らが欲しているのは理解なのである。
苦しんでいる人が一番して欲しいことは、話を聞いてもらうことだろう。
どのような苦しみを抱えていたとしても、話を聞いてもらうだけでそれはとても軽くなるものであるだろう。
そこに理解が加われば、苦しみは解決したようなものである。
わたしに覆い被さる黒い者たちは、わたしに理解を求めているのであろう。
自分たちが抱える苦しみを聞き、理解し、それから解放してくれるのを期待しているに違いない。
わたしたちも同じ立場なら、きっと同じように怒りの感情に支配され、怒りを以て八つ当たりしていることであろう。
抱える苦しみから解放されるには、その方法しか選択することができないであろう。

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