それからわたしは来る日も来る日も瞑想を続けていた。
どういう訳なのか金縛りに合うことは少なくなっていたけれど、霊の存在を感じ取る能力は少しずつではあるけれど強くなっているような気がしていた。
ある日の夜中、わたしはベットの上でゆったりと座って瞑想にふけっていた。
部屋の明かりはすべて落とし、外からの光もできる限り遮断した。
そうすることでより深い場所に辿り着けるような気がしたのである。
頭の中には相変わらずの思考や思い出だと思われる映像が不規則に飛び交っていた。
わたしは極力それらを無視し続けた。
無視を続けていると、ほんの一瞬だけではあるけれど、何にも無くなるような心地の良い時間が訪れることがあった。
それは静寂ではあるけれど、森の中にいる時のように命の鼓動を感じることもできる不思議な場所だった。
わたしにはその場所がやけに心地良かったのである。
何とかしてそこへ辿り着きたいと思っていた。
そのためには、不規則に飛び交っている思考や思い出だと思われる映像が邪魔だった。
それらを無視することによって、静寂へと続く扉が現れる瞬間を待ち構えていたのである。
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