胸を打つ鼓動は激しさを増し、音が外へと漏れ出しているのではないかと思える程に高まっていた。
鐘の音はまさにすぐそこにまで近付いていた。
次第に大きくなっていった鐘の音は、今では耳に痛い程であった。
まるで耳元で鳴らされているようである。
わたしがそれを不快に感じたその時、得体の知れない何かが急にわたしに覆い被さるようにのしかかってきた。
わたしは全身が激しく固まるのを感じた。
座っている状態でありながらも金縛りに合っているような不思議な感覚であった。
覆い被さる得体の知れない何かは、徐々に重さを増していく。
激しさを増す緊張感。
膨れ上がっていく危機感がそこにはあった。
わたしは動揺し焦っていた。
目は開かないが、わたしに覆い被さっているものが黒く破滅的な存在であることは理解することはできる。
それは、わたしを襲うプレッシャーが半端なものではないからである。
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