鐘の音の間に人の声?が聞こえる。
それは、念仏のようだった。
地鳴りのように低い声が何層にも重なり、何種類ものお経を同時に唱えている。
それは、お経のようにも聞こえ、地獄の底から聞こえてくる亡者の悲鳴のようにも聞こえた。
その声?は強制的に頭の中に入ってくる。
鼓膜が限界まで張り詰めるような感覚に陥り、頭が割れそうに痛む。
目は閉じているものの、世界がグルグルと回っているようである。
わたしは無意識の内に恐怖なのか焦りなのか、この状況から抜け出さなければならないと強く感じていた。
それは、命を守るための本能的な働きではないだろうか?
直感がわたしに、このままではやられると告げるのである。
わたしの命は、どうにかしてこの状況から抜け出さなければならないと動き始めていた。
これは、命を守る闘いである。
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