わたしは「死」を感じた。
このまま死んでしまうのではないかと思った。
それはとても不安であり、とても怖く、とても苦しいものではないかと考えた。
わたしは死ぬのが嫌で仕方なかった。
きっとこの感情は、彼らの持っている感情である。
しかしながら、当時のわたしにはそれを理解する技量も余裕もなかった。
とにかく「死」から逃げたかった。
それだけだった。
相変わらず金縛りというものは肉体がピクリとも動かない。
動かないだけならまだしも、全身が強烈な力によって潰される。
それが恐怖心を助長してくる。
それにつられるようにして不安感が増せば、わたしは益々その状況から逃げ出したくなるのであった。
しかしながら、わたしを逃がすまいと潰す力は強くなっていく。
「やめろ!やめろ!!やめろ!!!」
声にはならなかったので、わたしは心の中でそう何度も必死になって叫んだ。
耳にはグチャグチャな言葉がグチャグチャになだれ込んでくる。
もう限界だった。
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