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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2016年12月9日金曜日

追憶 1551

冬が終わりを告げる季節になると、人は桜に焦(こ)がれるものだ。
毎年見る桜も、それに飽きることはない。
桜の季節が近付くと、わたしはどうしても出掛けたくなる。
今年はバイクという相棒がいるためにその気持ちは一層強いものであった。
わたしは桜並木の道をバイクで走りたかったのである。
20kmも走らずにダムがある。
ダムの奥には小さな集落があり、何世帯かの人達が暮らしていた。
普段は住民以外は訪れないような立地のその集落は、今だに木製の電柱が残るノスタルジックな雰囲気の場所である。
わたしは幼い頃に一度だけ何かの用事で訪れたことがあるが、それからは集落の存在さえ忘れていた。
わたしがその集落を思い出したのは、ダムの奥の道に桜並木があることを思い出したことがきっかけであった。
そこでわたしは、お花見がてらにその集落を訪問してみようと思い立った。

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