しばらく休んでいると、わたしは自分が山と同化するような感覚を得た。
	わたしという生命体が、山という生命体に受け入れられたように感じたのである。
	そこでわたしは心の中で山に挨拶をして、今日の目的を伝えた。
	すると、バイクで走りたくなったので、目的の桜を探しに向かった。
	走り出してすぐに目的の桜並木に到着した。
	バイクを停めてエンジンを切ると、再び静寂が訪れた。
	淡いピンク色が青空に映えていた。
	八分咲き程度の桜の並木は壮大な眺めである。
	時折、風が桜の花を揺らす。
	それは冬を凌(しの)ぎ、春に咲き誇る生命の喜びを教えてくれているようであった。
	わたしは桜の樹を褒(ほ)めて、感謝の気持ちを伝えた。
	
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