わたしは集落を過ぎ、再び桜並木に差し掛かった。
すると、急にバイクの速度が落ちた。
不思議に思い、アクセルを開ける。
すると、更に速度が落ちる。
心地好く鳴いていた排気音は乱れ、明らかに弱っていた。
そして、エンジンが止まってしまった。
バイクは残りの運動エネルギーを消費して沈黙した。
鳥の囀(さえず)りがヘルメットの向こう側で聞こえている。
わたしは周囲を見渡した。
それは、子どもの言動に対する答えがあるのではないか?と考えたからである。
しかしながら、めぼしいものは見付からなかった。
そこで、バイクの不調を疑い、もう一度エンジンを点火してみた。
すると、軽快な排気音と共にエンジンが始動した。
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