このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2016年12月14日水曜日

追憶 1556

畑が増え、田んぼが目に入る頃には、人の生活に触れていた。
そこにはどこか懐かしい風景が広がっていた。
わたしの幼い頃の空気がそこにはあったのだ。
木製の電柱は、背の低いものが道端に一本だけ残っており、今でもクレオソートの黒さを残している佇(たたず)まいは、わたしを幼心へと回帰させるようであった。
わたしは再びバイクを停め、恐らくは20数年振りの再会に自分勝手に酔い痴れていた。
感慨(かんがい)に浸り終えると、わたしは再びバイクで走り始めた。
すると、道に覆い被さるように民家の屋根が現れた。
狭い土地柄なのか、道路と民家の距離が近いのである。
一段高い場所に建てられた民家であるが、道から窓を開けられそうな程の距離であった。
わたしにとっては、そんなことが新鮮であり、楽しかった。

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