年配の女性は黙り込んでしまった。
それは、現実から目を背けるような感覚である。
彼女はいたたまれない気持ちに苛(さいな)まれていただろう。
彼女は、自分の抱える矛盾に気が付いたが、信仰を手放したくはなく、過去の自分を否定することが許せなかったのではないだろうか?
心の中には、わたしの言葉と宗教の教義が戦っているに違いない。
その葛藤が彼女を襲っているのであった。
年配の女性が黙り込んでしまったので、若い方の女性には、それが親や兄弟であればどうか?と同じ質問をした。
若い方の女性も返答に困っていた。
彼女達の信仰する宗教が正しいというのであれば、何も迷うことはないのである。
息子(加害者)を悪魔とすれば良いだけだ。
しかしながら、彼女達にはそんなことは出来ないだろう。
それは、彼女達が愛情深く、純粋であるということをわたしは知っているからである。
0 件のコメント:
コメントを投稿