わたしは自分のすべきことを知っている。
しかしながら、それは簡単なことではなかった。
自分自身の弱さと肉体が、それを許してくれなかったからだ。
わたしは、Nのことが心や頭に過(よぎ)る度に、弱さと肉体を説得し続けた。
何ヶ月か経って、わたしはNと会う機会があった。
思い返すと、これが一つの試験であったように思える。
わたしのNに対する感情を試したのだろう。
そこでわたしは見事に”赤点”を取り、落第したのであった。
わたしにとって、それは大きな失敗であった。
思い出したくも無い程に恥ずかしく、情けない。
しかしながら、その失敗によってわたしの感情に変化が起きた。
それは、Nに対する執着なのか依存心なのか分からないが、それが剥(は)がれ落ちたのである。
わたしはいつも、失敗することによって成長しているように思える。
振り返ると、わたしは常に失敗し続けて来た。
失敗によっていたたまれない気持ちに追い込まれた時に初めて、心の底からの反省をすることができるようである。
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