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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2016年9月28日水曜日

追憶 1479

わたしの言葉を聞いて、彼女達は心の内に明らかな不快感を抱いた。
しかしながら、表情には穏やかな笑みを浮かべていた。
それは、わたしが無知で愚かな人物であるために、救いの手を伸ばさなければならないという彼女達なりの愛の形を現したからであろう。
彼女達はわたしを哀れんでいたように思う。
迷える子羊を導いてやろうと考えていたに違いない。
彼女達は、わたしの言葉に反発し、自分達の宗教の教典を取り出し、その一節を紹介しながら悪魔や争いが諸悪の根源であるという主張を押し付けた。
その時、全身が泡立ち、寒気と吐き気に襲われた。
見ると、彼女達の背後に大きな暗闇が浮かんでいた。
その中には、数え切れない程の炭のように黒い人達がいて、それぞれが呻(うめ)き声を上げながら絡み合っていた。
彼女達の主張がどのような可能性を導くのかは、それによって明らかになった。
そこでわたしは例えを以て話さなければならくなった。

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