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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2016年9月1日木曜日

追憶 1452

自分のこと(精神的な安堵)、肉体のことだけを考えるのであれば、Nの提案に甘んじることで自分を慰めることができるだろう。
しかしながら、わたしが考えなければならないのは自分や肉体のことではないのである。
重要視しなければならないのはNのことであると、わたしは信じていた。
受話器の向こうからNの声がぼんやりと聞こえている。
内容は確か、距離を置くことはわたしを傷付けるためではないという思いやりであったように思える。
わたしはNと共に生きていたいと思ったが、それは許されないと強く感じた。
わたしはNと交際関係を解消し、会わないようにしなければならない。
それが、わたし達にとっての最善の道なのだと直感していた。
しかしながら、簡単に決断することが出来なかった。
それは、今までの思い出が、わたしの弱さや肉体と共謀(きょうぼう)するからである。
わたしはNに時間を求めて、通話を終えた。

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