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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2016年8月31日水曜日

追憶 1451

わたしの頭は、Nの提案を受け入れることによって、既存のルートを進むように計らった。
頭が考えるには、それが最善である。
それは、頭がNという遺伝子を失いたくないからであろう。
頭とは脳のことであり、肉体であり、遺伝子のことである。
肉体は異性との時間を喜ぶ。
会話をしても、皮膚に触れても、脳はドーパミンを放出し興奮する。
肉体にとってはそれが目的なのであろう。
そして、遺伝子には子孫を残すという最大の目的があるため、Nを失う訳にはいかないのだ。
そのため、Nと離れるという選択肢は導かない。
あの夜、わたしにNの身体を求めさせたのも遺伝子であろう。
もちろん、それに従い、惨めな気持ちを得たのはわたしの弱さである。
ここでNの提案を受け入れることは、肉体にとっては都合が良く、わたしは中途半端な苦しみと喜びを味わうことになるだろう。
それでは、何も変わらないのである。

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