わたしに会うことによって、変化に支障をきたすこともあるのだろう。
	新しいものを得るためには、古いものを手放さなければならないのである。
	Nにとっての古いものが、わたしなのであろう。
	新生活に落ち着きを得た頃、Nはバイトを始めた。
	Nは日曜日にバイトを休み、わたしのために時間を用意してくれた。
	バイト先でも様々な出会いがあったのだろう。
	わたしはNの微妙な心境の変化に気付いていた。
	そして、以前にも増してNの身体や心には、黒い粘着質のものがまとわりついていることにも気が付いていた。
	目の下の隈(くま)が色白の肌に目立っていた。
	
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