わたしは自分自身の愚かさを恥じた。
	
	最低の人間だと思った。
	Nが独りで泣いているのを見ても、わたしは重たい身体を動かすことが出来なかった。
	どのくらい経ったのかは分からないが、沈黙の中にNの呼ぶ声が聞こえた。
	わたしは重たい身体を持ち上げてNの傍(かたわ)らに腰を下ろした。
	その時、わたしの頬を涙が流れ、落ちた涙が微かに保っていた炭の形を壊したように感じた。
	わたし達はもう終わりだ。
	そう悟った。
	「一緒に寝よう」
	Nの思いやりにわたしは心が抉(えぐ)られるのを感じた。
	Nの隣に身体を離して仰向けになり、様々な思考が頭を掻き乱し、胸を引き裂くのを許した。
	わたしは自分が嫌になった。
	こんな結末のためにこれまでの時間、Nと一緒にいたのか?
	これで良いのか?
	道は無いのか?
	どうしてこうなった?
	様々な思考が巡る。
	その時、Nがわたしの腕に身を寄せた。
	”これで良い”
	天から届く言葉は、わたしにはとても辛いものであった。
	
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