このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2016年8月27日土曜日

追憶 1447

わたしは自分自身の愚かさを恥じた。
最低の人間だと思った。
Nが独りで泣いているのを見ても、わたしは重たい身体を動かすことが出来なかった。

どのくらい経ったのかは分からないが、沈黙の中にNの呼ぶ声が聞こえた。
わたしは重たい身体を持ち上げてNの傍(かたわ)らに腰を下ろした。
その時、わたしの頬を涙が流れ、落ちた涙が微かに保っていた炭の形を壊したように感じた。
わたし達はもう終わりだ。
そう悟った。

「一緒に寝よう」

Nの思いやりにわたしは心が抉(えぐ)られるのを感じた。
Nの隣に身体を離して仰向けになり、様々な思考が頭を掻き乱し、胸を引き裂くのを許した。
わたしは自分が嫌になった。
こんな結末のためにこれまでの時間、Nと一緒にいたのか?
これで良いのか?
道は無いのか?
どうしてこうなった?
様々な思考が巡る。
その時、Nがわたしの腕に身を寄せた。

”これで良い”

天から届く言葉は、わたしにはとても辛いものであった。

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