わたしは、近い将来にNと別離すると悟った。
	
	しかしながら、5年半という過去の時間が、わたしにそれを受け入れさせなかった。
	わたしは心に葛藤を抱いていた。
	それは、大天使ミカエルとの約束を守ることができないことへの不甲斐なさにである。
	わたしはNを一生守るという青い約束をした。
	そのような気持ちで自分なりには向き合ってきたつもりである。
	しかしながら、至らないことは承知していることであり、懸命に努めても足らないことは理解している。
	わたしは大天使ミカエルの言葉を誤解しているのだろうか?
	Nを一生守るという形への制約は無かった。
	大天使ミカエルはわたしに、Nを一生守れと言っただけである。
	その言葉はどのようにも解釈することができるのである。
	わたしが勝手な解釈によって、例えば、恋人や夫婦という既成概念に捕らわれているだけなのではないか?
	わたしは、自分自身の過去に拘(こだわ)っているのではないのか?
	そのような考えが頭をもたげた。
	
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