彼は、自分がなぜ何度も同じ目に遭うのかを不思議がっているようである。
様々な人的要因はあるにしても、それでもその回数が多いのだと言う。
わたしにはその原因がある程度予測出来た。
あの女が関わっているに違いないと思うのである。
しかし、そんなことは彼に伝えられるはずもなく、わたしは話を聞くことに専念した。
彼は一通り話し終えると、立ち上がって出口に向かって歩き始めた。
そこでわたしは驚いた。
「待って下さい。帰れるんですか?」
わたしは彼が入院するものだと思っていたのである。
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