吐き気の波が襲った。
もう、一言も話したくはなかった。
口を開くと嘔吐してしまいそうだったからである。
わたしは瞼を閉じて、ただ車の揺れに耐えた。
20分程で病院に到着した。
わたしたちは救急の待合室で彼を待つことにした。
しばらくして、彼が胸を押さえるようにして、診察室から出てくるのを確認する。
わたしは駆け寄ってお詫びした。
彼は怒りを現しつつも冷静であったように思える。
わたしたちは近くにあった長椅子に腰を下ろして座った。
事故による怪我か、精神的なショックによってか、彼はとても弱々しく映った。
0 件のコメント:
コメントを投稿