そんなわたしを見て、老人は困り果てていた。
そして、沈黙し、何かを思い巡らせるように瞼(まぶた)を閉じた。
老人は自分自身の生前の在り方について考えているに違いない。
その考え方や価値観や行為が、今の状況を導いたのだ。
それを悔いているのかも知れない。
自分自身の非力さを嘆き、後に謙虚さを得るだろう。
すべての状況には、自らを正すヒントが隠されている。
大抵の人は困難を嫌うが、人生の目的が成長にある以上は、これを否定する訳にはいかないのだ。
困難を受け入れ、自分自身の無知を知り、反省して改めることによって初めて、この学び、この苦悩は終わるのである。
老人は正に今、学びを終わらせようとして、この状況に対する考え方と自身の在り方を改めているのであろう。
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