わたしには謝ることしかできなかった。
それを彼が制するが、わたしは他に言葉が見付からずに押し黙るしかなかった。
しばらく、沈黙が続き、わたしは足元の床を見つめる以外には、この時間を埋める手段を見付けられずにいたのである。
不意に彼が話し始めた。
「いつもこうだ…」
彼は絞り出すように話してくれた。
彼が事故に遭遇するのはこれが初めてではないと言う。
今回は被害者という立場ではあるが、加害者としての立場を得たこともあり、それを何度も繰り返しているというのだ。
そのために、先述の言葉がこぼれるのである。
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