光の天秤 -自叙伝-
このブログについて
自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。
2015年7月26日日曜日
追憶 1049
老人と女の間に生じた争いの根源は、愛情の不足にあるのだと思う。
愛情の不足さえなければ、人の心が争いを求めることなどないのだ。
老人はそれを、ここで気が付いたのであろう。
わたしは自らの右手が宙に十字を描くのを見た。
それは辺りの暗闇を遠ざけ、金色に輝く光の十字架となった。
それは太陽のように明るく、そして、暖かくこの場を包み込んだ。
それに気が付いたのか、女が髪を振り乱して振り向く。
そこには、車の中で見た紅い唇(くちびる)があった。
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