悲鳴にも似た泣き声がわたしに届いた。
わたしの同情心は増すばかりである。
親指と中指によって指を弾けば、金平糖のような一粒の光が生まれる。
わたしが何度か指を弾くと、泣いている顔の集合体の周りを光の粒が囲った。
すると、光の粒によって照らし出されたすべての顔が泣き止んだ。
そして、目の前の光に対して唖然(あぜん)とした表情になったのである。
急に現れた光に対して驚きを隠すことができないようである。
人差し指と中指によって空中に十字を描く。
すると、辺りを照らす光の十字架が生み出された。
その輝きに気が付いた霊達の表情が、素早く恐怖に変わるのをわたしは見た。
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