男の頭上に吐き出されて集まった黒い煙のようなものからは、聞くに耐えない恨みの言葉の数々が発せられていた。
男はといえば、空洞のような黒い目と口をそのままに、抜け殻のように何の反応も示すこと無くそこに立っていた。
やはり、この黒い煙が恨みの感情の原因であると確信する。
わたしは再び光の十字架を作り出して、それを男の頭上の黒い煙のようなものに投じた。
光の十字架が突き刺さると、黒い煙のようなものからは低音の悲鳴のような音が上がり、沈黙すると同時にそれは無数の光の粒となった。
その時、天が開いて光の柱が降りた。
それに導かれるようにして光の粒は上昇し、やがて天の光と同化して見えなくなったのである。
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