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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2015年4月10日金曜日

追憶 942

上方に浮かぶ黒い煙のような塊に対して、わたしは光の十字架を投じた。
光の十字架が到達すると同時に、黒い煙のようなものは力を失い、大量の光の粒となって天へと昇っていった。
光の粒が天に帰ると、目の前には沈黙した顔だけの霊達が残されたのである。
それぞれの表情は落ち着いていて、まるで眠っているようであった。
わたしは愛情を抑えることができずに、霊達を引き寄せて抱き締めた。
すると、それぞれの閉ざされた瞼(まぶた)からは朝日に照らされた朝露のような美しい涙がこぼれたのである。
これを以て、彼等に対する仕事が終わったことを理解するのであった。

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