気分の悪さを覚えた時には、黒い煙のようである破滅的な意識を吐き出していた。
それは、ゲップや叫び声という形を取った。
胸を押し上げる黒い煙はとめどなく溢れ出て、目の前の空間を瞬く間に埋めていく。
視界が黒く染まる頃、吐き出される黒い煙はとまった。
それを見計らったように、わたしの人差し指と中指は差し出されて、空中に十字を描いた。
すると、それは黄金色に輝く光の十字架としての形を許されることになったのである。
光の十字架を掴み、それを目の前の黒い空間に投じる。
すると、光の十字架の放つ輝きは、ロウソクが寿命を終える時の炎のように力無く消えてしまった。
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