次の瞬間に、ガラスが割れるようにして光の線が走り、黒い空間は粉々に砕かれた。
音を立てて崩れ落ちる様は、新たな可能性を予感させるのには十分な印象である。
風が吹いてくるような感覚を覚えて、わたしは心地好さを得た。
窓を開けて、部屋の中に新鮮な空気を取り込む時のような清々しさがそこにはあった。
散らばった空間の欠片を拾い集め、わたしは光の杭を打ち込んだ。
すると、欠片は光を帯びて輝き、光の粒となって天へと登っていくのである。
「ありがとう」
そう聞こえた気がしたが、気のせいかもしれない。
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