わたしには、人の信仰を否定する権利はない。
人は誰もが、信じたいものを信じれば良いのである。
そのため、わたしが老女の行為に意見を挟むことはなかった。
しかしながら、この部屋に入ってから、わたしには気になることがあった。
それは、部屋の空気が重たいと感じるのである。
黒い霧が漂っているような感覚なのだ。
わたしには、それを心地好いとは思えなかった。
老女は楽しそうにわたしに話をするが、わたしは彼女のように楽しくはなかった。
この部屋にいると、少しずつ気が萎(な)えてくるのである。
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