山道を抜けると、人々の穏やかな暮らしがあったが、何度見てもわたしは懐かしい気持ちになるのであった。
	やはり誰にも会わずに集落を抜けると、子どもに会った橋に辿り着いた。
	バイクを停めてヘルメットを脱ぐ。
	透き通った空気が肺を満たすのを感じた。
	あの日と同じように、杉林の中に奥へと真っ直ぐに続く山道がある。
	そこには当たり前のように誰の姿も無かった。
	川の流れと、鳥の囀(さえず)りが心地好い。
	そこで、わたしはバイクの運転によって無意識の内に緊張していたことを理解した。
	緊張を理解すると、それを手放すために瞼(まぶた)を閉じて瞑想することにしたのである。
	
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