静寂を得た時、わたしは山と繋がるように感じる。
	そうすると、山を登ることを許されたような感覚を得るのであった。
	わたしはパンを片手に枝を掻き分けて山を登った。
	そこには以前と何も変わらないように見える社と狐の人形があった。
	社の前に腰を降ろし、山道の子どもに助けられたことと、それについての感謝の気持ちを伝えた。
	そして、必要ないかも知れないが、お礼にパンを持参したので受け取って欲しいことも伝えた。
	すると、耳元で子どもの含み笑いが聞こえた。
	その声を聞いた時、わたしはパンを半分に割いた。
	それは、子どもの希望だと知ったからである。
	子どもはわたしと一緒に半分に割いたパンを食べたかったのだ。
	
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