山道の社で、山道の子どもだと思われる存在とパンを分け合ってから数ヶ月後、わたしは妙な胸騒ぎに襲われていた。
理由は分からないが、心が騒ぎ、落ち着かないのである。
わたしは誰かの声を聞いているように思えたが、それが誰の声なのか、果たしてそれが誰かの声なのかも分からなかった。
わたしはどこかへ向かわなければならなかったが、どこへ向かえば良いのかも分からない。
わたしの中には不思議な葛藤が存在していたのである。
考えても分からないので、思考を手放して心に従うことにした。
心はわたしに”バイクを走らせろ”と告げた。
そこでわたしは理由も分からず、当ても無いままに、とにかくバイクを走らせた。
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