このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2017年1月8日日曜日

追憶 1581

山道の子どもがわたしを助けてくれたあの日から、わたしの心からは子どものことが離れなかった。
会いたいという気持ちが日に日に増していくのである。
わたしはあの子どもの正体が知りたいのだ。
毎日のようにあの山道に向かおうとしたが、忙しさが許してはくれなかった。
それでもある日、わたしは時間を得られたのである。
そこであの日と同じようにバイクで山道へ向かった。
桜は散り始めていた。
風が触れると、一斉に花弁(かべん)が舞い落ちる。
春の陽気の中に雪のように舞い落ちる花弁が、わたしを幻想へと誘(いざな)うようであった。


0 件のコメント:

コメントを投稿