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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年10月6日月曜日

追憶 758

その時に強烈な吐き気に襲われて、わたしは何かを吐瀉(としゃ)した。
目の前に吐き出されたものは、血に浮かぶ人の内蔵の様に見えた。
それを吐き出すことによって多少の不快感が消えたが、それでも吐き気が消えることはなかった。
わたしが吐き出すものを見て、黒い何かが這(は)う様にして近付いてきた。
そして、吐瀉物にその身を踊らせた。
それを見て、わたしの不快感は一層強くなるのであった。
しかしながら、この光景から目を逸らすことはできなかった。
わたしはこれを見なければならないのである。
これを見ることによって、何かを理解しなければならないのだろう。
何時ものことであるが故に、わたしは今更驚きはしない。
黒い何かは人の内蔵の様なものを身に纏(まと)おうとしているようであった。
しばらくして、それは人間の赤ん坊の姿となった。

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