このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年10月18日土曜日

追憶 770

「ありがとう」

小さな声は力強く心に届いた。
わたしは心の中で、しっかりとその思いを受け止めた。
天が閉ざされて光が去ると、わたしは視界を失った。
目の前には薄暗がりがあったが、これは瞼(まぶた)の裏であり、部屋の明かりが透けているのだと理解することができた。
わたしはゆっくりと瞼を開き、一つ深く息をした。

B男が心配そうな表情でわたしを覗き込んでいる。
それを悟り、心配の必要がないことを伝えた。
体力と精神力を消耗していたが、それは問題にはならないだろう。
わたしは少しずつ強くなっているようである。

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