赤ん坊が霊となり、孤独にいるということは、先程の推測通り堕胎か死産のどちらかであろう。
何かしらの事情によって、赤ん坊にとっては想定外の出来事が起きたに違いない。
その状況を受け入れることができないが為に苦しんでいるのではないだろうか?
黒い煙のようなものを吐き続けていると、赤ん坊の表情が悲しみに塗り替えられているのに気が付いた。
それと同時にわたしの中には、慈悲が芽生えていた。
小さな瞳から次々に溢れては落ちる涙に引き寄せられ、わたしは赤ん坊に手を伸ばした。
小さな肩に手を掛け、引き寄せて抱き締めた。
もう、わたしのことを拒絶してはいない。
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