苦しみの中には希望が芽生えるものである。
	わたしが赤ん坊を抱き締めた時に、その小さな胸の奥の暗闇の中に、小さな光が生じた。
	それは、愛と呼ぶべき希望の光だったのである。
	わたしはその小さな光が消えないように、またそれを育むようにしっかりと赤ん坊を抱き締めた。
	すると、赤ん坊は真っ黒な目と口を目一杯に開くと天を仰いだ。
	耳を劈(つんざ)くような悲鳴は、赤ん坊のものである。
	その時に目と口からは大量の黒い煙のようなものが吐き出された。
	それが空中で一つに交わる。
	吐き気を覚えたわたしは、光の杭を握り締めていた。
	そして、これを黒い煙に向けて放った。
	
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