わたしは幸せだった。
赤ん坊も幸せなのではないかと思える。
それは、赤ん坊の表情が穏やかであったからだ。
愛に包まれて安らかに眠っている。
わたしにはそう見えた。
天から光が降りてきて、赤ん坊を包み込む。
その光は赤ん坊を受け取りに来たのだと理解して力を緩めた。
すると、赤ん坊はわたしの腕を離れて宙に浮かんだ。
その時にわたしは、赤ん坊の頬を伝う涙を見た。
その涙によって、この苦しみが終わりであることを理解するのであった。
小さくなっていく姿を見送りながら、わたしは自分自身が泣いているのに気が付いた。
これは喜びの涙であることをわたしは知っている。
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