光の杭は迷いなく飛び、黒い煙に到達すると同時にその輝きを伝えた。
	光の杭によって、黒い煙は光の粒になり、水蒸気のように揺らぎながら天に登っていった。
	黒い煙が天に帰ると、わたしの気分の悪さは微塵も無くなっていることに気が付いた。
	わたしは気分の良さに感謝した。
	気分が良いことは幸せである。
	赤ん坊に視線を落とすと、嵐の過ぎ去った夜のように沈黙していた。
	目を閉じたままで身動き一つしないのである。
	赤ん坊は霊であるためおかしな表現ではあるが、死んだのではないかと思うのであった。
	赤ん坊の顔には安らぎが浮かんでいるように見える。
	これを見てわたしは安心した。
	そして、穏やかな気持ちが肩を抱くのを感じるのであった。
	
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