二人を部屋に招き、わたしは中央に置いてある座布団の前に、二人は入り口付近に座ってもらった。
	二人には楽にしてもらうように告げて、わたしは意識を整えるために瞼(まぶた)を閉じた。
	瞼を閉じると、気分の悪さが強調される。
	その時、どこからとも無く赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
	それは遠くに聞こえたが、わたしに向けて発せられているような気がした。
	その声は、助けを求めているように思えてならなかった。
	その声を辿ると、どうやらA子の元から聞こえてくるようである。
	そこまで認識した時に、わたしはその場から弾かれて部屋の景色を眺めていることに気が付いた。
	
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