他人の心と向き合うことによって、わたしは他人も自分自身と同じように苦しんでいるのだということを理解したのである。
他人の心の中に入り、それと向き合うことがなければ、わたしは実感としてそれを理解することはなかったであろう。
わたしにとってそれはただの他人事であり、その苦しみにわざわざ触れる必要などないと考えていただろう。
これまでのわたしは実際にそう思っていたし、そうしてきたのである。
実際に体験したことがなければ分からないことはたくさんある。
他人の苦しみを理解するためには、同じ経験をするか、その心の中に入って、苦しみを肩代わりすることであろう。
同じ経験をしたことがない人が何を言おうとも、相手を慰めることはできないのである。
わたしはMさんの心の中に入って、同じ経験をしたのではない。
しかしながら、そこに導かれる感情を共有したのである。
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