このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2018年7月22日日曜日

追憶 2114


”あなたは、そんなことはしないと思います”

若い女性が答えた。

”本当にそう思いますか?あなたはわたしのことを何も知らないんですよ?”

わたしは、笑顔を浮かべて彼女の柔らかそうな喉元(のどもと)を見詰めた。
それは、わたしが彼女達を殺すためには、先ずは二人の喉を潰すことを真剣に考えていたからである。
若い女性の笑顔が引き攣(つ)るのが分かった。
多少なりとも、恐怖が芽生えたのであろう。

”わたしが襲い掛かったらどうしますか?”

若い女性は、消え入りそうな声で絞り出した。

”そんなことは・・・しないと思います”

間髪を入れずにわたしが問い掛けた。

”本当に?”

わたしの言葉に対して、若い女性はそれ以上は何も答えなかった。

”抵抗することなく、殺されますか?”

すると、わたしの言葉に対して若い女性が答えた。

”抵抗します”

わたしには、それで十分であった。
彼女の気持ちが聞けて良かった。



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