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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2017年5月3日水曜日

追憶 1696

青鬼はまとわり付くような嫌らしい笑みでわたしを見詰めた。
何かを企んでいるような笑顔が不愉快であった。
すると、わたしの意思に反して、右手が宙に十字を描いた。
右手が光の十字架を青鬼に投じた後に、自らの行為に対する認識が追い付いたのである。
わたしが驚いていると、光の十字架に射抜かれた青鬼が苦悶(くもん)の表情を浮かべて苦しんでいるようであった。
先程までの嫌らしい笑みを失った青鬼を見ていると、可哀想に思えた。
それから、すぐに青鬼は沈黙し、その姿は光の塊(かたまり)となった。

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