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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2017年5月18日木曜日

追憶 1684

山道を進むに連れて、身体の重さと吐き気が増した。
それでも、進む必要があると思ってバイクを走らせる。
幾つかのカーブを越えると、前方に大きな岩の記念碑のようなものが見えた。
そして、その上に古い着物をだらりと羽織った老人が胡座(あぐら)をかいて座っている。
遠目に見るそれは、浮浪者のような汚らしく、老いぼれた男であった。
しかしながら、見た目とは裏腹に威厳(いげん)のようなものを感じる。
わたしは彼を只者では無いと直感し、挨拶をしようと決めた。

岩の記念碑は見上げるほどの大きさである。
書いてある漢字を理解することは出来ない。
その上に小さく薄汚れた老人が、どこか遠くの方を眺めながら鎮座(ちんざ)しているのであった。

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