それから帰宅するまでの間、バイクは何の問題もなく走行した。
わたしの内省のテーマは、バイクが曲がらないことに変わっていた。
しかしながら、納得することの出来る答えを導き出すことは叶わなかった。
バイクをいつもの場所に停め、ヘルメットを外し、一息ついた時に異様なものが視界に飛び込んできた。
それは、荷台に座る青鬼であった。
それは、どう見ても青鬼にしか見えなかった。
それは、肌の青い、毛の抜けたチンパンジーのような姿をしている。
それがバイクの荷台に静かに座っているのだ。
わたしの頭の中には疑問符が飛び交っていた。
”こいつは何だ?”
それ以外の思考は存在してはいなかった。
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